● "債務整理" について —その2—
1 任意整理
各債権者を相手に利息制限法による引直し計算(※1)を行い、残元本を確定させ、債権者への過払い金があれば返還を求め、債務があれば分割返済する旨の合意をする手続き。
A) 申立人
特になし
B) 特色
裁判手続きによらずに柔軟な対応が可能。一部の債権者からの過払い金を他の債権者の弁済にまわすこともできる。
C) メリット
過払い金の回収が同時に行える。
すべての債権者を相手にしなくても、特定の債権者のみでも可。
個人信用情報機関に登録されないケ-スがある。
司法書士からの受任通知で債権者からの請求が止まる。D) デメリット
合意が成立しない場合は訴訟へ移行する場合がある。
E) 費用
債権者1社:21,000円(基本料金・受任時着手金)
※無登録業者(ヤミ金1社):52,500円
(郵送実費等別途)● 過払い金全返還:1社ごと返済額の18.9%(最低31,500円)
● 債務減額:1社ごと債務圧縮額の10.5%(最低21,000円)
● 残額の分割和解:着手金のみ※訴訟へ移行した場合(第1審手続きまで)
債権者1社:31,500円(訴状作成等)
裁判所印紙代等:実費
第2審以降は別途
2 特定調停
各債権者を相手に利息制限法による引直し計算(※1)を行い、残元本を確定させ、裁判所関与のもと以後原則3年間に渡り分割返済する旨の合意をする手続き。
A) 申立人
金銭債務を負っている者であって、支払不能に陥るおそれのあるもの。
事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの。
債務超過に陥るおそれのある法人。B) 特色
裁判所から選ばれた調停委員が調停事項を定める。
C) メリット
すべての債権者を相手にしなくても、特定の債権者のみでも可。
費用が比較的低廉。
裁判所を利用して相手方の取引履歴を開示できる。D) デメリット
調停が成立しない場合は訴訟へ移行する場合がある。
過払い金がある場合は原則として調停手続きでは回収不可。
個人信用情報機関に登録される。E) 費用
債権者10社まで:31,500円(受任時着手金)
調停申立て:165,900円
裁判所予納金等:約30,000円(申立時預かり金)
3 民事再生
全ての債権者を相手に民事再生法で定めた最低弁済基準額まで債務を減額し、以後再生計画に従って3年から5年にて債務を弁済する手続き。
住宅ロ-ンがある場合でも、住宅ロ-ン以外の債務を上記に従い減額し、住宅ロ-ンはそのままで他の債務のみを上記手続きにて弁済する。
A) 申立人
破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるとき。
事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき。B) 特 色
継続的な収入が見込める場合は破産することなく、元本の大幅な減額が可能。
C) メリット
元本が減額される。
裁判所を利用して相手方の取引履歴を開示できる。
住宅を手放すことなく手続きができる場合がある。
破産と異なり手続き開始後も資格制限がない。
裁判所を利用して相手方の取引履歴を開示できる。D) デメリット
車など所有権留保されている場合は引き上げられてしまう。
個人信用情報機関に登録される。
費用が高価。E) 費用
債権者10社まで:31,500円(受任時着手金)
民事再生申立て:199,500円(小規模再生、給与所得者再生)
裁判所予納金等:約250,000円(申立時預かり金)
4 破産
裁判所に対し免責許可を申立て、債務をなくす手続き。
A) 申立人
支払い不能であるとき。
B) 特色
債務を一度帳消しにし、新たに生活をやり始められる。
C) メリット
免責許可決定により非免責債務以外、支払い義務がなくなる。
D) デメリット
住宅や車など高額財産を失ってしまう。
個人信用情報機関に登録される。
職種によっては欠格事由に該当する。
資産状況によっては多額の予納金が必要。E) 費用
債権者10社まで:31,500円(受任時着手金)
破産、免責認可申立て:157,500円(同時廃止の場合)
裁判所予納金等:約30,000円(申立時預かり金)※同時廃止とは破産申立人に財産が無く、債権者へ分配する財産がないため、破産管財人を選任することがなく破産手続きを終了する場合です。裁判所により申立人の財産調査が必要、または高額財産があると判断された場合には破産管財人が選任され、別途予納金が500,000円必要になることがあります。
※1 利息制限法による引直し計算について
金銭消費貸借契約が無効
109.5%以上(出資法)
ヤミ金業者
罰 則
年29.2%以上(出資法)
ヤミ金業者
グレ-ゾ-ン
(旧貸金業法)
下記金利(利息制限法)以上
29.2%(出資法)以下
過去の消費者金融業者
有効な利息
(改正貸金業法)
(利息制限法)
1:10万円未満【 年20%以内 】
2:10万円以上100万円未満【 年18%以内 】
3:100万円以上【 年15%以内 】
銀行、信用金庫、現在の消費者金融業者
消費者金融業者は、グレ-ゾ-ン金利の中で貸付けを行ってきました。
これは利息制限法以上の金利で貸付けても、出資法の29.2%以下であれば特に罰則もなく、また債務者が任意に払ったこととすれば有効な利息として扱われる(旧貸金業法)ため、このことを利用してきたのです。
ただし平成22年6月施行の改正貸金業法により、このグレ-ゾ-ン金利は認められないこととなりました。よって今まで消費者金融から借入してきた人は金利を払いすぎていたわけですから、当然のことながらこの『グレ-ゾ-ン』の部分を返還してもらうわけです。
今までの借入を『有効な利息』にて引き直し計算し、過払いがあれば消費者金融業者に請求し、過払いがなくとも債務の減額を請求します。









